夢の歯生え薬はもうすぐそこ?!
お知らせ
あけましておめでとうございます。
厳しい寒さが続きますが、皆様どのようにお過ごしでしょうか。お餅やおせち、ご馳走は召し上がりましたか?初夢はどんな夢をみましたか?
夢といえば、歯が生えるという夢のような薬が開発されました。
一体どのような薬なのでしょうか?また、誰でも歯を生やすことができるのでしょうか?多くの注目を集めるところです。
そこで今回は、世界初の「歯生え薬」についてお話しします。
歯がない状態(欠損)って?
歯生え薬の前に、まず歯がない状態(欠損)についてお話しします。
歯がない状態は、大きく2つに分かれています。
先天性の歯の欠損と後天性の歯の欠損です。
先天性の歯の欠損とは生まれつき永久歯が欠けている(足りない)状態をいいます。
永久歯が6本以上欠けている場合は先天性無歯症(せんてんせいむししょう)、6本未満の場合は部分性無歯症(ぶぶんせいむししょう)と呼ばれます。ただし、親知らずはカウントされません。
後天性の歯の欠損は、虫歯や歯周病、外傷などにより、永久歯を失ってしまった状態のことです。
世界初の歯生え薬
生まれつき永久歯の数が6本以上少ない先天性無歯症には、歯の成長を抑制する遺伝子が関係していることがわかっています。
私たちの体の中では、歯が生えるための準備がされていますが、その遺伝子が邪魔をすると新しい歯は生えてきません。
この歯の成長を抑制する働きがある遺伝子に着目し、近年その働きを抑える薬の開発に成功したのです。
研究・開発にはまず、この遺伝子自体を人工的に作りだす必要があります。それが難しく、研究は長い間難航していました。
しかし、2017年にこの遺伝子を人工的に作りだすことに成功!
それをきっかけに一気に研究が進み、この遺伝子の働きを抑える薬が、長年の試行錯誤の末に誕生しました。
研究開発に携わったのは、京都大学発のベンチャー企業と大阪市の医学研究所北野病院です。
【京都大学イノベーションキャピタル株式会社】
https://www.kyoto-unicap.co.jp/embark/toregem/
【医学研究所北野病院】
https://www.kitano-hp.or.jp/info/20240503
治療への応用
それは違います!
開発社は歯生え薬の開発をさらに進め、将来的には虫歯や歯周病など、後天的に歯を失った場合の治療にも応用していくことを考えているそうです。
人間の歯は、二生歯性(にせいしせい)と呼ばれ、乳歯が永久歯に生え変わりますが、その次に生える歯はありません。
ですが、中には、余分な歯である過剰歯(かじょうし)が生えてくる人がいます。本来なら消失するはずの、永久歯の次に生える歯の種が残っており、それが活性化されたため過剰歯が生えてくると考えられています。
開発社は、この仕組みに着目し、無くなった永久歯の代わりに歯を生やすことができないかと構想を練っているようです。
もしも、この研究が成功すれば、治療の選択の幅が大いに広がるでしょう。
まとめ
とはいえ、私たちが歯生え薬と出会えるのは、まだまだ先のお話。
また、薬で生えてきた歯もメンテナンスでの維持は不可欠です。
今ある健康な歯の維持のため、そして来るべき未来に向けて、私たちと共に歯のセルフケアやメンテナンスをしっかり行っていきましょう!