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噛み合わせの重要性

お知らせ

元横綱である貴乃花 光司さんが今年の四月より神奈川歯科大の特任教授に

就任されました。

 

新聞Quint 2020年5月号に掲載されたインタビューにご自身が体験した噛み合わせに

ついて語られていましたので御紹介いたします。

 

 

足裏から全身の購み含わせを整える「標足の文化」

を伝えたい

 

貴乃花: 現役時代は、歯のトラブルでとても苦労しました。 力士同士がぶつかる時の

衝撃は約1 トン前後だといわれています。 そのため、 歯ぐきが腫れ上がって痛みが

出ることもありました。

その頃に出会ったのが全身の健康を歯と口からサポートしてくださった

歯科医師の先生です 。 先生に歯科治療をしていただく なかで歯み合わせの重要性に

気がつきました。 歯み合わせを整えることで体のバランスも安定してきて、精神の

つまり心のバランスが取りやすくなったのです。

体のバランスを整えるためには、 下半身、特に足の裏を鍛えることも大切で

土踏まずを地面につけた状態で噛み合わせると心がすっと落ち着いてきます。

こう した関係は目に見えない部分ですが、 神奈川歯科大学の川上正人准教授と

共同でスポーツ歯科医学の分野から論文発表の準備を進めています。力士にとって

引退後の体を一般的な体型に戻していくことは実は現役の体型を維持することよりも

大変です。 体重だけでなく筋力が落ちてく ると、ちょっとした湿度や気温の変化

でも身体が痛みます。

そのような身体のトラブルを軽減してくれる動作が、現役を引退してからも毎日

かかさずやっている相撲の基本動作「四股」です。

 

四股は簡単な動きで、 体のバランスを整えるこ と ができます。 たんに足を上げる

だけが四股ではなく両足を地面に付けたまま腰を下ろすことが大事で、正しく行えば

1 回上げるのが精一杯なほど足が震えてきます。

普段から鍛えている方でも、「こんなに使っていない筋肉があったのか」 と驚かれる

ほどです。 ですから四股は体幹を鍛える最善のトレー=ングといってもよいでしょう。

新型コロナウイルスの影響によって屋内で過ごす機会が増えていますが、狭い場所でも

できるのが四股の特長です。

必要な道具は白分の体重だけなので負担が少なく、体を動かすことはストレス解消

にもなります。

普段の生活の中に四股の動きを取り入れていく ことで、 歯のよう に下半身と上半身の

“歯み合わせ”を整えていただきたいと思います。 授業では、まずは四股のトレーニング

(シコアサイズ) の実技を行う予定です。

 

下半身のトレーニングは、私たちが本来もっている体重(力) を活用して、 健康に

長生きをするためにとても大切です。

そのうえで、相撲道で学んできた日本の作法や礼節などの伝続文化を国内外に

発信・ 普及していきたいと思いますし私が理事を務める貴乃花道場もこの信念の

下に活動しています。

今後は、多くの人に「裸足で鍛える文化」 を伝えていきたいですね。

「新聞Quint 2020年5月号」記事より