電動歯ブラシの誤解と思い込みを生んだ背景
お知らせ
電動歯ブラシは、1960年代主として手用歯ブラシでのブラッシングが困難な方に向けて開発されました。近年、我が国においてもさまざまな改良が進められ、身近な口腔ケア製品として普及してきております。
最近では、電動歯ブラシは誰が使っても効率よく清掃できるものだと
思われている患者さまに出会うことも少なくありません。
しかし電動歯ブラシのほうが手用歯ブラシと比較して、
明らかに優るとは言えないのが現実なのです。
電動歯ブラシの誤解とリスク
手用歯ブラシと比較すると、ヘッドが高速回転で動いてプラークを除去することや、
ブラッシング後に舌で歯の平滑面を触ったときに、ツルツルとした感じを実感できることから、電動歯ブラシの方が手用歯ブラシよりもしっかり磨けているという
イメージをお持ちの方もいらっしゃるようです。
しかし、むし歯や歯周病の原因となるプラークは、歯ブラシの毛先が届きにくい
隣接面(歯と歯の間)や小窩裂溝(噛み合わせの溝)に存在するプラークであり、
舌で感じる平滑面ではありません。
そのため、きれいに磨けたという実感を得られたからといって、
むし歯や歯周病を予防するブラッシングができているとは言えません。
また、歯の表面の一か所に強く当てすぎると歯質が削れてしまい
知覚過敏を引き起こします。
同時にヘッドが劣化した開いた状態の電動歯ブラシを歯面に強く当てると
擦過傷(歯ぐきに傷)や歯肉退縮(歯ぐきが下がる)が起こるリスクもあります。
まとめ
電動歯ブラシは効率的に歯を磨ける道具であるからこそ、誤った使い方をしてしまうと、
磨き残しが返って増えてしまうだけではなく、為害性が生じやすくなってしまいます。
そのため電動歯ブラシの使用には、ぜひ私たちに一度相談をしてみてください。
以前の投稿(2020.11.02)にご紹介しておりますので、ぜひご覧ください。